建築家に依頼するリノベーションを依頼するメリット

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At first

建築家に頼むメリットは
既存の条件から暮らしを設計し直せること

建築家にリノベーションを依頼する魅力は、建物の制約と、これからの暮らしを一緒に考えられることです。

広いリビングにしたい、冬の寒さを改善したい、古い家の雰囲気は残したい。こうした希望は、壁を取り払ったり設備を交換したりするだけでは解決しないことがあります。柱や壁の役割、窓の位置、配管の状態を調べ、残す部分と変更する部分を組み合わせる設計が必要です。

特に、間取りを大きく見直す場合や、デザインと住宅性能を同時に検討したい場合は、建築家に相談する意味があります。ただし、依頼すればどんな改修でも実現するわけではありません。既存建物を調べる力、改修の経験、予算を調整する進め方まで確かめて選びましょう。

建築家に何を依頼するか

設計事務所へ相談する場合も、建築家が参加するリノベーション会社へ相談する場合も、設計・工事監理・施工の担当者と契約先を確認します。呼び名や資格だけでは、既存住宅の改修経験や担当する仕事の範囲までは分かりません。

目次

Merits

建築家にリノベーションを依頼する
4つのメリット

残したいものと、変えるべきものを整理できる

古い梁や床材、庭に向いた窓など、今の住まいには新しくするだけでは得られない良さもあります。一方、見た目が気に入っていても、そのまま使えるかは別の問題。状態を調べ、補修して残すのか、交換するのかを検討します。

建築家には、好きな雰囲気だけでなく「残したい理由」も伝えてみてください。家族の思い出がある、光の入り方が好き、触れたときの質感が落ち着く。その理由が分かると、部材を残す方法と、別の方法で同じ良さを引き継ぐ案を比較しやすくなります。

間取りを、動線・収納・光の入り方までつなげて考えられる

例えば「キッチンを広くしたい」という希望でも、困っているのが作業台の狭さなのか、配膳のしにくさなのか、家族とすれ違えないことなのかで、必要な変更は違います。

部屋の広さだけでなく、使う人の動き、収納する物、外からの視線まで含めて設計を依頼できるのが利点です。動かせない柱があるなら、その位置を前提に家具や収納を配置する案も考えられます。要望をそのまま図面にする前に、何を解決したいのかを掘り下げることで、工事の優先順位も見えてきます。

デザインと、耐震・断熱などの課題を一緒に検討できる

見た目を整える工事と、構造や温熱環境を改善する工事を別々に考えると、計画の途中でぶつかることがあります。大きな開口を希望するときも、明るさと壁の役割を合わせて検討する必要があります。

建築家への相談では、必要な調査や診断を整理し、構造・設備などの専門家と連携する体制を確認しましょう。「寒いから断熱材を入れる」で終わらせず、窓、断熱する範囲、換気との関係まで含めて、どこを改善する計画なのか説明を受けます。工事をすれば自動的に希望の性能に届くという前提は避け、設計上の目標と確認方法を共有してください。

図面と仕様をもとに、見積もりや工事を確認できる

仕上げ材、造作家具、設備の位置などを図面や仕様書にまとめると、工事の内容を施工会社と共有できます。見積もりが予算を超えたときも、何を変更するかを具体的に検討するための材料になります。

設計と工事監理を依頼するなら、提案した空間が現場でどう実現されているか、設計図書との照合・確認まで担当してもらえます。施工会社から独立した設計者に依頼する場合は、施主の立場で見積もりや施工者選びについて助言を受ける機会もあります。これらをどこまで依頼できるかは、契約前に確かめる事項です。

Building

戸建てとマンションでは
設計の制約が違う

同じ「間取り変更」でも、確認する条件は建物によって変わります。希望するデザインに近い事例だけでなく、同じ構造や建物条件で改修した経験があるかを見ておきましょう。

表は横にスクロールして確認できます。

リノベーションで設計者に確認したい条件
確認すること 戸建て マンション
間取りを変える前提 柱・梁・壁などの役割と、変更する部分が構造に与える影響 躯体や共用部分との境界、変更する部分が他の住戸へ与える影響
性能や設備の見直し 屋根・外壁・窓・床下など、調査と改修を行う範囲 窓や配管の扱い、床材の条件、水回りを移す際の納まり
計画前に集める資料 既存図面、確認・検査に関する書類、増改築や修繕の履歴 住戸図面、管理規約・工事細則、管理組合へ提出する資料

戸建ては、建物全体の状態を見て改修範囲を決める

室内を変えるつもりでも、調査の結果によっては屋根や外壁、床下などの補修を先に検討する必要があります。間取りの希望と合わせて、過去の雨漏り、増改築、修繕の履歴も伝えてください。

「この壁はなくせるか」「補強が必要ならどこに入れるか」「今回直さない部分はどこか」を図面で説明してもらうと、完成イメージと工事範囲のずれを減らせます。

マンションは、室内にある部分でも自由に変えられるとは限らない

国土交通省のマンション標準管理規約では、窓枠・窓ガラスは専有部分に含めず、天井・床・壁も躯体を除く部分を専有部分としています。また、共用部分や他の住戸に影響するおそれがある修繕等は、事前申請と承認の対象です。

ただし、標準管理規約はひな型です。実際には、そのマンションの管理規約・工事細則・承認条件を確認します。窓の変更、床材、水回りの移動などは、設計を進める前に管理組合との確認事項を整理しましょう。

※参照元URL:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001999013.pdf)

Budget

費用は設計料だけでなく
調査と追加工事まで見込む

建築家に頼めば安くなる、と決めてしまうのは早計です。工事費だけでなく、調査・設計・監理と、未確定の工事を含めて予算を考えます。

見積もりで分けて確認したい費用

  • 既存建物の調査、必要な診断・検討の費用
  • 設計・工事監理の費用と、申請や追加の打ち合わせが含まれる範囲
  • 解体、補修、設備、仕上げなどの工事費
  • 仮住まい、引っ越し、家具の保管など、工事以外に必要な費用
  • まだ金額を確定できない工事と、その見込みを確認する時期

設計・工事監理の報酬は個別の契約で定めます。金額だけを比較せず、調査、構造や設備の検討、施工会社への見積もり依頼、工事中の確認がどこまで含まれるかをそろえて見てください。

※参照元URL:国土交通省「業務報酬基準ガイドライン・第3 解説」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001726105.pdf)

解体後に判明する工事は、事前調査だけでは確定できない

工事を始めてから周辺の不具合が見つかったり、下地の構造が図面と違うと分かったりすることがあります。建築家が関わっていても、追加工事を必ず防げるわけではありません。

契約時には、未確認の部分と、追加工事が出た場合の協議方法を決めておきます。工事中に変更が必要になったら、理由、変更内容、金額を確認し、工期への影響も聞いたうえで合意を残しましょう。口頭で済ませず、見積書や議事録、契約書などの書面にすることが大切です。

予算を超えたら、解決したいことに戻って調整する

造作収納を既製品に変える、一部の仕上げを残す、工事する範囲を絞るなど、調整案は目的との関係で検討します。収納の使いやすさを改善したいのに、収納計画そのものを削ると、不満が残ってしまいます。

戸建てで補修や補強の範囲が大きくなりそうなら、建て替えや住み替えも含めて比較するのが一つの方法です。今の家を残す理由と、総額・使い勝手・今後直す部分を並べて判断してください。

Scope

依頼前に確認したい
仕事の範囲と進め方

設計事務所に設計・工事監理を依頼し、施工会社と工事の契約を結ぶ進め方もあれば、一つの会社がまとめて窓口になる場合もあります。窓口の数だけで選ばず、各段階で誰が判断し、誰へ相談するのかを把握しましょう。

01

調査・設計で、何を確認してもらえるか

現地調査、既存資料の確認、必要な診断、間取り・仕上げ・設備の設計、申請への対応を確認します。構造や設備の専門家が必要な場合の依頼先と費用も、ここで相談する事項です。

02

施工会社をどう決め、変更を誰が調整するか

施工会社の選定方法、見積もりの確認担当、現場からの質問への回答経路を聞きます。解体後に計画を変更するとき、設計者・施工会社・施主がどの順で確認し、合意するかも決めておきましょう。

03

工事監理では、いつ・何を・どう確認するか

工事監理は、工事と設計図書を照合・確認する仕事です。常に現場へ滞在することや、工事の品質を無条件に保証することと同じではありません。現場で確認する時期、書類で確認する事項、記録と報告の方法を聞いてください。

※参照元URL:国土交通省「工事監理ガイドライン」(https://www.mlit.go.jp/common/000048526.pdf)

引き渡し後の相談先も決めておく

不具合が出たときの連絡先と、設計・施工それぞれの責任や保証の範囲を確認します。「建築家が監理するから安心」で終わらせず、契約書と保証の内容まで目を通しましょう。

打ち合わせ回数や工期も一律ではありません。資料の確認、調査、設計、管理組合などとの調整、工事の各段階を分け、入居したい時期から無理のない計画を立ててもらいます。期限が決まっているなら、最初に伝えてください。

Choose

リノベーションに合う
建築家を選ぶには

完成写真に加えて、改修前後の図面と判断の理由を見る

好みのデザインがあることは、相談先を絞る手がかりになります。そのうえで、自宅に近い構造・築年数・工事範囲の実績を見てください。マンションなら管理規約への対応、戸建てなら既存構造や劣化への対応についても聞いてみましょう。

事例を見るときは、改修前後の図面を比べて「なぜこの壁を残したのか」「予算の都合で何を変えたのか」と質問すると、写真だけでは分からない設計の考え方に触れられます。実際の担当者が誰になるかも、契約前に確かめたい点です。

要望がぶつかったときの説明と、調整の仕方を確かめる

希望の間取り、必要な補修、予算がすべて一致するとは限りません。難しい希望に対して理由を説明し、何を優先すれば別の案が成立するのかを一緒に考えてくれるかが、相性を判断する材料になります。

初回の相談では「この予算で難しそうな点はどこですか」「現地調査で何を確かめますか」「工事費が見込みを超えたら、いつ設計を見直しますか」と聞いてみてください。答えの内容に加え、質問に対する説明が理解しやすいかも見ておきましょう。

初回相談へ持っていくもの

  • 手元にある図面、確認・検査に関する書類、修繕や増改築の記録
  • マンションの場合は管理規約・工事細則
  • 今の暮らしで困っていることと、残したい部分
  • 工事以外の費用も含めた予算上限と、入居希望時期

資料がそろわなければ、何があるかを伝えるだけでも構いません。「絶対に残したいもの」と「提案次第で変えられるもの」を分けておくと、相談を進めやすくなります。

Q&A

建築家へのリノベーション依頼で
よくある質問

Q.

小規模なリフォームでも建築家に頼むべきですか?

A.

設備の交換や一部の内装更新なら、まず施工会社に内容と費用を相談する方法もあります。建築家に依頼するかは工事の大小だけでなく、解決したい課題で判断してください。一室だけでも動線や収納を設計し直したいなら、設計相談のみを受けられるか、どの範囲から依頼できるかを聞くとよいでしょう。

Q.

中古住宅を買う前に相談できますか?

A.

購入前の相談や現地確認に対応しているかを聞いてみてください。物件価格と改修費を合わせて予算を考え、希望する変更に何を確認する必要があるかを整理できます。現地へ入れるか、資料を入手できるかは売主側との調整が必要です。

売買時の建物状況調査にも限界があります。隠れた不具合がないことや、希望の改修ができることまで保証するものではありません。耐震性や改修の可否まで確認したいなら、そのための調査・検討が依頼範囲に含まれるかを別途聞いてください。

※参照元URL:国土交通省「既存住宅流通について」(https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk3_000001_00063.html)

Q.

図面や検査済証がない家でも依頼できますか?

A.

手元の資料を伝え、追加でどんな調査が必要か相談してください。国土交通省は、増改築や大規模な修繕・模様替えなどに際し、建築士が既存建物の法令への適合状況を調べるための現況調査ガイドラインを示しています。

資料がないことだけで改修を諦める必要はありませんが、現地調査だけで必ず確認できるとも限りません。調査の範囲と費用、判断できない部分が残ったときの進め方を確認しましょう。

※参照元URL:国土交通省「既存建築物の活用の促進について」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_fr_000061.html)

Q.

リノベーションには建築確認申請が必要ですか?

A.

建物と工事内容によって異なります。2025年4月以降に着工する木造2階建て戸建て等では、大規模な修繕・模様替えが建築確認手続きの対象になりました。

大規模かどうかは、主要構造部である壁・柱・床・梁・屋根・階段の1種類以上について、過半の改修等を行うかで判断します。工事する床面積の割合で一括判定するものではありません。主要構造部から除かれる部分もあるため、具体的な計画は建築士や建築確認の窓口へ確認してください。

水回りの設備交換のみなど、確認手続きが不要な工事もあります。ただし、申請が不要でも法令への適合の確認は必要です。

※参照元URL:国土交通省「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」(https://www.mlit.go.jp/common/001766698.pdf)

Q.

住みながら工事を進められますか?

A.

工事する範囲と生活空間を分けられるか、水や電気が使えない期間はどれくらいかを、設計者と施工会社へ確認してください。騒音・粉じんへの対応や、作業員の出入りも相談事項です。住みながら進める案と仮住まいする案について、生活への影響、工期、費用を比べて決めましょう。

Q.

建築家に頼むと資産価値も上がりますか?

A.

建築家への依頼だけを理由に、将来の売却価格が上がるとは判断できません。まずは自分たちが暮らすうえでの使いやすさと、必要な補修・更新を重視してください。売却も視野にあるなら、改修内容の図面や記録を残し、不動産の専門家にも評価の考え方を相談するとよいでしょう。

Summary

変えたい暮らしと
残せる建物を一緒に考える

建築家にリノベーションを依頼するメリットは、今ある建物の条件を読み取り、間取り・デザイン・性能・予算を合わせて検討できることです。古い部分を残す理由も、新しくしたい理由も設計に取り込めます。

相談先を選ぶときは、似た建物での改修実績、調査と工事監理の範囲、予算を超えたときの調整方法を確かめましょう。最初の相談では、完成イメージに加えて、今の不便と残したいものを伝えることから始めてください。

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※1 2020~2023年度。
参照元:ハウズ公式サイトhttps://www.houzz.jp/pro/creahome2800
※2 2012年度 新築部門 東京エリア。
参照元:リクシル公式サイト(PDF)https://newsrelease.lixil.co.jp/user_images/2012/pdf/nr1108_02.pdf
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