施主支給の費用

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目次

キッチンや洗面台をネットで探すと、見積書に書かれた金額よりずっと安い価格が並んでいます。「その差額がそのまま浮くのか」を知りたくて、施主支給の費用を調べ始めた方が多いはずです。このページでは、施主支給で動くお金を5つの費目に分解し、どこで差が生まれ、どこで差が消えるのかを整理しました。

このページで分かること

At first

施主支給の費用は
本体価格の差だけでは決まりません

見積書の金額からネット価格を引いた数字は、まだ手元に残る金額ではありません。

施主支給にしても、取り付け工事はなくなりません。品物を受け取って現場に運ぶ人手も要ります。工務店が本来やっていた発注・検品・数量の拾い出しは、そのまま施主の作業に移ります。差額から引かれるものが、必ず後から出てきます。

情報の出どころによって語られる面が違う点にも注意が必要です。住設のネットショップは「定価の何割引で買えるか」を前面に出し、工務店や設計事務所は「その後に何がかかるか」を語ります。どちらも嘘ではなく、見ている区間が違うだけです。両方を並べて初めて、実際に残る金額が見えてきます。

最初に手元にそろえたい3つの数字

  • その設備を会社に任せた場合の見積額(本体+取付)
  • 自分で買った場合の本体価格+送料
  • 差額から引かれる費用(この後の5費目)

Breakdown

施主支給の費用を左右する
5つの費目

施主支給が得か損かは、品目ごとに次の5つを足し引きすると判断できます。1つでも見落とすと、後から見積書に現れて差額を食い潰します。

01

本体価格の差(ここだけが浮くお金)

会社経由の価格と、自分で買う価格の差です。ただし工務店を通した材料費には、引き渡し後のメンテナンス費用や工賃・運搬費の一部、見積もりや注文のたびに発生する事務手数料が含まれているケースが多いです。見積書の数字は本体代だけではないと考えたほうが実態に近くなります。

02

取付工賃と現場の手間賃

製品を安く手に入れても、施工費は発生します。使い慣れない納まりや特別な配慮が必要になれば、その分が工賃に乗ります。施主支給を受け入れている工務店のやまのすみかでさえ、自社サイトで「サービスへの対価として多少高くなることは覚悟してください」と書き、「何でも施主支給をしようとすると、逆に手間がかかって高くついてしまうかも」と続けています。受け入れる側の会社が割高化を認めている点は、押さえておく価値があります。

03

受け取り・現場への運搬・保管

支給品は施主が受け取り、現場の所定の位置まで運ぶのが基本です。2階のトイレに付けるものなら2階まで、ということになります。工事現場に「設備を受け取る仕事」の人はいないため、施工会社に頼めば大工や電気工事の職人が手を止めることになり、別途要員を立てればその人件費が発生する可能性もあります。荷受けの段取りは、そのまま費用の話です。

04

数量の余り(面積で買うもの)

フローリングやタイルは、施工中の破損や割り付けの都合で、必要面積ぴったりでは足りません。何㎡だからこの枚数、と施主が計算して外すのはよくあることなので、数量は施工会社に判断してもらったほうがよい。同じ記事ではそう指摘されています。多めに買った分は使わなくても支払いが発生し、足りなければ追加発注で工期が動きます。

05

不具合が起きたときの自己負担

支給品は原則として施工会社の保証の対象外です。施主支給したキッチン内部の配管に問題があって漏水し、床を腐らせた場合、床の張り替え工事はたいてい有料になります。梱包を開けてキズや割れがあっても、輸入元・メーカー・配送会社・現場での移動時のどれが原因かを判別できないため、高額な設備ほど断られやすくなります。この将来の自己負担も、見えないコストとして差額から差し引いて考えるのが安全です。

Items

品目別に見る
差額が残るもの・消えるもの

分かれ目はシンプルで、他の工事の妨げにならず、引き渡し後に自分で付けられるかです。

差額が残りやすいもの

照明器具やタオル掛けといったパーツ類です。取り付けが単純で、不具合が出ても原因の切り分けがしやすく、引き渡し後に施主が自分で付けられると判断されれば、受けてもらえる可能性が高くなります。ネットでは同じ商品でも販売店ごとに価格が違い、家電量販店ではポイント還元やモデルチェンジ前の値下げも使えます。

差額が消えやすいもの

専門業者による取り付け工事が発生するものは、施主支給が難しく、高額な設備も断られがちです。フローリングやタイルのように面積で買うものも、余剰分と送料を足すと逆転することがあります。施工会社が一括で仕入れる設備は、施主支給よりトータルで安くなるケースもある。同じ記事はそう指摘しています。

なぜ会社経由のほうが安くなる品目があるのか

ある工務店は、メーカーの担当者から「年間ユニットバス10台でこの割引率」「サッシ100窓でこの価格」といった提案を受けていると明かしています。他メーカーを使うと割引率が悪くなるため、標準仕様で縛るという事情もそこにあります。会社の標準品から外すこと自体が、価格の前提を変える行為です。
※参照元URL:やまのすみか株式会社(https://yamanosumika.jp/customer-supplied-product//2019年10月公開・2020年1月更新)

エアコンは「安く買える」と「規格が合わない」が同居する

エアコンはネットや量販店との価格差が出やすい一方、200Vと100Vを取り違えれば電気工事のやり直しになります。加湿機能付きなら加湿ホースの工事も必要で、メーカー名と品番を事前に共有しておかないと現場が止まります。差額が大きい品目ほど、事前確認の密度で結果が変わります。

Water area

キッチン・浴室・洗面台は「2種類の施主支給」を分けて考える

水まわりの大型設備は、語られ方が食い違う代表格です。一般に「専門業者による取り付け工事が発生するものは施主支給が難しい」とされ、高額な設備も断られがちだと説明されています。一方、住設のネットショップはシステムキッチンやユニットバスを主力商品として扱っています。

矛盾しているようですが、指している中身が違います。品物だけを現場に持ち込む形と、メーカーの認定業者による組み立てまでセットで発注する形は、施工会社から見たリスクがまったく別物です。前者は不具合の原因を切り分けられず断られやすく、後者は組み立ての責任がメーカー側に残るため受け入れられる余地があります。相談するときは「どちらの形か」を最初に伝えると、話が早く進みます。

Risk

費用が想定を超える
4つの場面

01

支給品が届かず、後続の工事が止まる

洗面台の水栓が届かなければ配管工事ができず、内装工事にも入れません。工期が延びれば施工費が余計にかかります。逆に早く届きすぎても、現場で邪魔になり、屋外で雨ざらしになる危険が出てきます。

02

数量不足・破損で再送になる

フローリング材の反りやタイルの割れで数量が足りなければ、再送を待つあいだ工事が止まります。輸入品を船便で取り寄せている場合、再送に3カ月かかることもあります。

03

規格が現場と合っていない

先に触れたエアコンの電圧のように、仕様の取り違えは工事のやり直しに直結します。購入前に販売ページを現場監督へ送り、この製品で配管や電気の工事を進めて問題ないかを確認しておくと、この費用は避けられます。

04

住み始めてからの不具合

支給品のトラブル対応は施主が窓口になります。メーカーへの問い合わせも、配送会社への確認も自分で行うことになります。検品も施主の責任範囲で、取り付けが済んだ後の返品や張り替えはできません。

Payment

支払うタイミングと
住宅ローンの扱い

費用の話でもうひとつ見落とされやすいのが、いつ、どの財布から払うかです。

施主支給品の代金は施主が販売店へ直接払います。施工会社の工事費見積には含まれないため、住宅ローンに組み込みにくいとされています。一方、商品を選ぶのは施主で、発注・支払い・受け取りは施工会社が行う「施主指定」なら、工事費の一部として扱われ、借入額に含められる場合があるという説明もあります。

ただし取り扱いは金融機関によって異なり、公的な統一ルールがあるわけではありません。仮審査の段階で、支給を予定している設備の金額と方式を伝えて確認しておくのが確実です。支払いが発生する時期と融資が実行される時期がずれないかも、あわせて聞いておくと安心できます。

資金計画で確認しておくこと

  • 支給予定の設備の合計額と、支払いが発生する時期
  • その金額を住宅ローンに含められるか(金融機関へ確認)
  • 含められない場合、どの資金でまかなうか

Choice

費用で決める
3つの依頼のしかた

01

施主支給

商品選び、発注、支払い、配送手配、荷受け、検品まで施主が担当し、取り付けを会社に頼みます。差額は最も大きくなりますが、手間と責任も最大です。

向くのは、取り付けが単純で、価格差がはっきり見えている品目。

02

施主指定

商品を選ぶのは施主で、発注・支払い・調達・納品・取り付けは施工会社が行います。差額は小さくなる代わりに、不良や破損は会社の責任で対応してもらえる可能性が残ります。

向くのは、保管場所に困る大物や、ローンに含めたいもの。

03

会社に任せる

標準仕様の中から選びます。年間数量に基づく仕入れ価格が効くため、面積物や水まわりの大型設備では、これが最も安く収まることもあります。

向くのは、こだわりが薄く、価格差が読めない品目。

3つは択一ではありません。照明とパーツ類は支給、大物は指定、キッチンは会社に任せるというように品目ごとに使い分けると、手間を増やさずに差額だけを取りに行けます。どの品目をどれにするかは、設計が固まる前の打ち合わせで相談してください。設計図に落とし込んだ後では、選べる選択肢が減ります。

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Q&A

施主支給の費用についての
よくある質問

Q.

施主支給にすると、結局いくらぐらい安くなりますか?

A.

ひとつの金額では答えられません。同じ「キッチンを施主支給」でも、品物だけ持ち込むのか、メーカーの組み立てまで含めて発注するのかで、取付工賃も保証の範囲も変わるためです。金額を知りたいときは、品目ごとに次の引き算をしてください。見積書の該当行の金額から、〔ネット価格+送料+取付工賃+手数料〕を引く。この差がプラスで、しかも荷受けと検品の手間に見合うなら、その品目は施主支給に向いています。

Q.

施主支給の手数料は、いくらぐらい取られますか?

A.

会社によって考え方が違い、公開された相場はありません。手数料という名目を立てる会社もあれば、取付工賃に含めて出す会社もあります。建材を扱う事業者の案内でも「別途手数料や搬入諸経費がかかることがあるので事前に確認を」という書き方に留まっています。金額を推測せず、見積依頼の時点で「支給にした場合、この行はいくらになりますか」と聞くのが確実です。

Q.

支給品は、いつ現場に届ければいいですか?

A.

施工会社に指定された時期に合わせます。早すぎても遅すぎても費用に響く点が、この作業の難しいところです。遅れれば後続の工事が止まり、早く届けば現場で邪魔になって、置き場がなければ屋外で雨ざらしになる危険もあります。納期の読めない商品を選んだ時点で、この調整は難しくなります。発注前に納期を確認し、現場監督と着地日を決めておいてください。

Q.

ネットの「最大◯%OFF」は、その分だけ安くなるということですか?

A.

割引率の分母は各社が表示する「定価」で、その根拠は公開されていません。施工会社の見積額も定価そのままではないため、割引率の表示が、そのまま見積書からの減額幅を意味するわけではありません。比較するなら割引率ではなく、実際に支払う総額同士で見てください。見積書の該当金額と、ネット価格+送料+取付工賃+手数料の合計です。

Q.

施主支給を断られました。費用を抑える方法はありませんか?

A.

「施主指定」が使えないか聞いてみてください。商品を選ぶのは施主で、発注から取り付けまでは会社が担当する方式です。差額は施主支給より小さくなりますが、標準仕様の外から選べる点は変わらず、不良や破損への対応も会社側に残ります。断られた理由が保証や責任の所在にあるなら、この形なら受けてもらえることがあります。

Q.

支給品の代金は住宅ローンに入れられますか?

A.

施主支給は施工会社の工事費見積に含まれないため、組み込みにくいとされています。施主指定なら工事費の一部として扱われ、含められる場合があるという説明もあります。ただし判断は金融機関ごとに異なるので、仮審査の段階で金額と方式を伝えて確認してください。支払いの時期と融資実行の時期がずれないかも、同時に聞いておくと安心です。

Summary

差額ではなく
総額で比べる

  1. 本体価格の差から、取付工賃・受け取り・数量の余り・自己負担を引く
  2. 他の工事の妨げにならず、自分で付けられる品目なら差額は残りやすい
  3. 面積物と水まわりの大型設備は、会社経由が安くなることもある
  4. 住宅ローンの扱いは金融機関によって分かれるため、仮審査の段階で確認する
  5. 品目ごとに、支給・指定・お任せを使い分ける

施主支給の費用は、「安くなる」か「高くなる」かの二択ではありません。品目によって答えが変わり、同じ品目でも依頼の形によって変わります。ネットの価格と見積書の金額を引き算した数字を出発点に、そこから引かれるものを一つずつ足していくと、手元に残る金額が見えてきます。

そして、その計算を一人で抱えないことです。どの設備なら差額が残るのか、どこは任せたほうが安いのか。設計が固まる前に相談すれば、選択肢を減らさずに判断できます。費用を抑える一番の近道は、早い段階で予算と希望を包み隠さず共有することかもしれません。

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※1 2020~2023年度。
参照元:ハウズ公式サイトhttps://www.houzz.jp/pro/creahome2800
※2 2012年度 新築部門 東京エリア。
参照元:リクシル公式サイト(PDF)https://newsrelease.lixil.co.jp/user_images/2012/pdf/nr1108_02.pdf
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